大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(う)1893号 判決

被告人 大原泉

〔抄 録〕

所論は、本件起訴状の欄外に「追起訴あり」という付箋が貼付されているのは刑訴法二五六条六項にいう裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添付してはならないとの条項に違反し、本件起訴の手続が無効となるものであるから、原判決は同法三三八条四号により公訴棄却の判決をすべきであるのに、不法に公訴を受理して実体審理をした違法がある、というのである。

そこで考えてみるのに、本件の起訴状を見ると、所論のように、その欄外に「追起訴あり」と記載した付箋が添付されているが、これは裁判所が期日の指定その他審理計画をたてるについての参考とする趣旨のものであると解せられるのであって(もっとも、本件では結局追起訴はなされていないのであって、このことからみると追起訴の見込が当時確実であったとはいいがたく、このような不確実な事項を記載することが措置として妥当であるかどうかは問題である。)、右のような記載があるからといって、原審の裁判官が起訴された訴因事実について有罪の予断を抱くことのありえないことは、同一起訴状に多くの訴因が記載されている場合と異なるところはないから、前記の記載が刑訴法二五六条六項の規定に違反し、本件起訴状の効力を失わせるものとはいえない。それゆえ、原審の訴訟手続が違法無効であるとの論旨はその前提において採ることをえない。

(中野 寺尾 藤野)

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